いつも当機構ホームページをご覧戴き有難うございます。NPO九州定借機構の菅原です。
実務家の方には物足りないかも知れませんが、ご要望が多いのでこれから数回に分けて初めての方でも解り易いように『定期借地権』について説明をして行きたいと思います。
今回はまず旧借地法と定期借地権との違いを簡単にまとめてみました。
いかに旧法では地主側が不利だったかが判ると思います。
《旧借地法》
法定更新…これが一番厄介で、法律の定めにより自動的に契約が更新されてしまうんです。
「正当事由」があれば…と思うのですが、認められたケースは殆どありません。
土地は一度貸すと半永久的に戻ってこないと云うことにつながります。
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立 退 料… 半永久的に借りられる権利を返して貰う為には高額な立退料が必要です。
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権 利 金… ①立地が良くなければ借り手は少ない。
②高額な立退料にも備える必要があるので権利金が高額になる。
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借地減少…①自分が土地を利用しようとしても「正当事由」が認められない。
②借地権者は安い地代で高額な立退料が得られる借地からは離れない。
③法定更新せざるを得ない。
⇒この悪循環では良好な借地が出る筈がありません。
そこでこの「定期借地権」ができた訳です。
《定期借地権》
法定更新→なし。
期間満了で必ず土地が返還され、建物を再築しても期間の延長はない。
立 退 料→なし。
建物買取請求権も発生しない。
権 利 金→旧借地権と比べると低額。
マイホーム取得の資金が大幅減になる、或いは建設資金に余裕がでる。
一番大きな事は、法定更新が無くなり期間満了とともに必ず土地が地主の元に戻ってくること、更にそれによって立退料が不要になったことだと思います。受領する権利金が少なくなっても、半永久的に土地が戻って来ないこととを比べたら雲泥の差があると思います。簡単に書き過ぎたかも知れませんが、少しはお解りいただけたでしょうか?
地主さんにとってはとても有利な条件になりましたね。
さて、次回は「②定期借地権の種類について」です。